日本学術振興会:人文・社会科学振興のためのプロジェクト研究事業、プロジェクト名:豊かな人間像の獲得−グローバリズムの超克、研究グループ名:産育の現場からの考察
文化としてのリプロダクション研究会
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    この研究会では、社会がそのメンバーを再生産(Reproduction)することに関わるさまざまなテーマを研究する。


 リプロダクションは、通常女性の身体を舞台に繰り広げられるが、それは同時に新たな生命との関係の始まりであり、マクロなレベルでは国家や社会の再生産と秩序維持の活動でもある。リプロダクションの持つ広がりと複雑さ、生命や社会、次世代に与える影響力の大きさを考えたとき、人類のリプロダクションを多様な視点から研究し、新たなパラダイムを提供する必要性に気づかされる。現在、リプロダクションをめぐってはさまざまな問題が顕在化しており―たとえば出生率の低下、不妊、生殖をめぐる倫理、生命の選別、途上国での健康被害、主として先進国での育児不安や虐待など―、地球上のあちこちで社会の再生産に軋みが生じていると言える。


 現代社会では科学技術が価値あるものとされ、自然科学やテクノロジーの思考が支配的である。だが、現象を要素に還元する自然科学的思考や、物事をある目的に沿って動かすテクノロジーの思考が、人を産み育てるリプロダクションを考える上でも有効だろうか。また、資本主義、市場経済の論理がリプロダクションを形作るようになると、社会はどのように変わっていくのだろうか。現在、リプロダクションの分野で先鋭化している問題は、社会が自然科学的思考や市場経済の論理を優先させたときに立ち現れる問題だと言うことができる。人間はシンボルを使い、生きる意味を求める存在である。リプロダクションをめぐる問題群を、人文・社会学的視野で補完することによって、リプロダクションの新たなパラダイムを提供し、社会に提言することをこの研究会の目的としたい。




研究会の3つの目標
 
異分野の連携による研究の促進
   リプロダクションという人類に共通の、かつ多様性に富んだ人間の営みを捉えるには、さまざまな分野の研究者の協力と知的交流が必要となる。自然科学、人文・社会科学、医学など、複数の視点からリプロダクションにまつわる問題を明らかにすると共に、異分野の研究の接点を探り、リプロダクションを立体的に捉えることをめざす。
   
若手研究者の育成
   リプロダクションに関心をもつ若手研究者に、研究会への参加、発表の機会を提供する。大学院生の研究会への参加を積極的に応援する。
   
社会への還元、社会への提言
   リプロダクションにまつわることがらは、産むことにしろ、産まない、あるいは産めないことにしろ、女性の人生や社会のあり方に大きな影響を与える。女性たちが、それぞれの場面で、バランスのとれた十分な情報を得て選択できるように、研究成果を公表し、社会に還元する。さらに、当事者の視点に立った研究成果を社会のさまざまな層に向けて発表することで、政策提言に寄与したい。

 

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